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令和時代2019年社会・経済重要度 A

消費税10%と幼児教育・保育無償化―平成末の社会保障改革は令和初年にどう実施されたのかしょうひぜいじゅっぱーせんととようじきょういくほいくむしょうか へいせいまつのしゃかいほしょうかいかくはれいわしょねんにどうじっしされたのか

一言でいうと

2019年10月1日、日本では消費税率が8%から10%へ引き上げられ、同時に軽減税率制度と幼児教育・保育の無償化が始まりました。10%への引上げ自体は平成期の社会保障・税一体改革から続く制度設計でしたが、平成末には増収分の使途が見直され、その一部を幼児教育・保育、高等教育、子育て支援などへ振り向ける方針が具体化しました。令和初年の実施では、社会保障の安定財源を広く確保する一方、日常生活への負担を軽減するため飲食料品などに8%の軽減税率を残し、子育て世帯には教育・保育費の負担軽減を組み合わせました。したがって2019年10月の制度変更は、単なる増税ではなく、負担と給付を同時に組み直す社会保障改革として理解することが重要です。ただし、無償化だけで少子化や待機児童、保育の質などの課題が解決したわけではありません。

なぜ平成期に決めた10%への引上げが、令和初年に実施されたのか

消費税率を10%へ引き上げる方針は、2012年の社会保障・税一体改革で法制化されました。2014年4月にはまず8%へ引き上げられましたが、10%への引上げ時期は景気への影響などを踏まえて延期され、最終的に2019年10月1日に実施されました。制度の出発点は平成にあり、令和への改元によって新たに決まった政策ではありません。

背景には、少子高齢化によって社会保障給付が増える一方、現役世代だけに負担を集中させず、年金・医療・介護や少子化対策を支える安定財源を確保するという課題がありました。消費税増収分は社会保障に充てる仕組みとされ、2019年の引上げもこの長期的な改革の延長に位置づけられます。

10%への引上げと軽減税率は、どのように組み合わされたのか

2019年10月1日から標準税率は10%になりましたが、すべての消費が一律に10%になったわけではありません。酒類・外食を除く飲食料品と、定期購読契約が結ばれた週2回以上発行の新聞には8%の軽減税率が適用されました。

軽減税率は、税率引上げが家計、とくに所得の低い人々へ与える影響に配慮するため導入されました。その結果、同じ2019年10月から標準税率10%と軽減税率8%が併存する複数税率の制度となり、消費税の負担増を一部で緩和する仕組みが組み込まれました。

2019年10月以後の消費税を『一律10%』と覚えないことが重要です。飲食料品など一定の対象には8%の軽減税率が残りました。

幼児教育・保育の無償化は、誰を対象に始まったのか

同じ2019年10月1日、幼児教育・保育の無償化も始まりました。基本となる対象は3歳から5歳までの子どもで、幼稚園、保育所、認定こども園などの利用料が制度の範囲内で無償化されました。0歳から2歳までについては、住民税非課税世帯の子どもが主な対象とされました。

認可外保育施設などについても、保育の必要性の認定や上限額などの条件を満たす場合に支援対象となりました。したがって『すべての保育費が、すべての世帯で完全に無料になった』制度ではありません。対象年齢、世帯の課税状況、施設の種類などによって適用範囲が異なります。

なぜ負担増と子育て支援が同じ日に実施されたのか

平成末の2017年に政府が決定した『新しい経済政策パッケージ』では、10%への税率引上げによる増収分の使途を見直し、教育負担の軽減、子育て世帯支援、介護人材の確保などへ新たな財源を振り向ける方針が示されました。幼児教育・保育の無償化は、消費税率10%への引上げを前提に実施する政策の一つと位置づけられました。

このため2019年10月1日は、国民に広く負担を求める税率引上げと、子育て世帯などへの給付・サービス拡充が同時に動き出す日になりました。高齢者中心と見られがちだった社会保障を、子ども・子育て世代も含む『全世代型』へ広げる政策方向を示した点に意味があります。

ただし、幼児教育・保育の無償化は子育て費用の一部を軽減する制度です。出生数の減少、保育の受け皿、保育人材、所得や雇用、仕事と育児の両立など、少子化や子育てをめぐる複数の課題を単独で解決する政策ではありません。2019年の改革は、税と社会保障の負担・給付関係を組み替えた一段階として捉える必要があります。

Review

入試で押さえるポイント

  • 2019年10月1日に消費税率が8%から10%へ引き上げられた
  • 同日に軽減税率制度が始まり、酒類・外食を除く飲食料品などには8%が適用された
  • 幼児教育・保育の無償化も2019年10月1日に始まり、3〜5歳児と住民税非課税世帯の0〜2歳児が基本的な対象となった
  • 10%への引上げは平成期の社会保障・税一体改革から続く制度で、令和改元によって新たに決まったものではない
  • 平成末に増収分の使途が見直され、教育負担の軽減や子育て支援などへ一部を振り向ける方針が具体化した
  • 幼児教育・保育無償化だけで少子化や待機児童などの課題が解決したとは扱わない

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  1. 問1

    消費税率10%への引上げは令和への改元後に初めて決まった政策で、平成期の社会保障・税一体改革とは連続していない。

  2. 問2

    2019年10月以後も、酒類・外食を除く飲食料品など一定の対象には8%の軽減税率が適用された。

  3. 問3

    幼児教育・保育の無償化は、年齢・所得・施設の種類に関係なく、すべての子どもの保育費を完全に無料にする制度だった。

  4. 問4

    2019年10月には、税率引上げによる負担増と、幼児教育・保育無償化など子育て支援の拡充が同時に実施された。

  5. 問5

    幼児教育・保育無償化が始まったことで、待機児童、保育人材、少子化など子育てをめぐる課題は制度上すべて解消した。

Timeline

関連する年表

前後の出来事とつなげて位置を確認できます。

  1. 消費税率が10%へ引き上げられ軽減税率制度が始まる
  2. 幼児教育・保育の無償化が始まる
  3. 徳仁天皇が即位し令和に改元する

Sources

参考資料

  1. 消費税率引上げについて財務省

    2019年10月の10%への引上げ、社会保障財源としての位置づけ、軽減税率制度の趣旨を確認する。

  2. 軽減税率制度の概要国税庁

    2019年10月1日の税率変更と、飲食料品・定期購読新聞など軽減税率の対象を確認する。

  3. 幼児教育・保育の無償化の実施(2019年10月)厚生労働省

    3〜5歳児、住民税非課税世帯の0〜2歳児など、2019年10月からの無償化の対象を確認する。

  4. 新しい経済政策パッケージについて(平成29年12月8日閣議決定)(抜粋)内閣府

    消費税率10%への引上げによる財源を教育負担の軽減・子育て世帯支援などへ振り向け、幼児教育・保育無償化を2019年10月から実施する方針を確認する。