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令和時代2020〜2021年文化重要度 A

東京五輪延期と無観客開催―パンデミックは巨大国際大会の開催をどう変えたのかとうきょうごりんえんきとむかんきゃくかいさい ぱんでみっくはきょだいこくさいたいかいのかいさいをどうかえたのか

一言でいうと

東京2020オリンピック・パラリンピックは、当初2020年夏に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大したため、2020年3月24日に約1年延期する方針が決まりました。3月30日には、オリンピックを2021年7月23日〜8月8日、パラリンピックを8月24日〜9月5日に開催する新日程が発表されます。大会名は『東京2020』のまま維持されました。2021年3月には海外からの一般観客を受け入れない方針が決まり、7月には東京都への緊急事態宣言を受け、東京など多くの会場で無観客開催となりました。選手や大会関係者にも検査、行動範囲、移動、接触をめぐる特別な感染対策が課されました。結果として、世界最大級のスポーツ大会は開催されたものの、通常の大会をそのまま1年ずらしたのではなく、観客、移動、運営、地域との接触のあり方を大きく変えた大会になりました。

なぜ東京2020は中止ではなく、約1年の延期になったのか

東京2020大会は、オリンピックが2020年7月24日、パラリンピックが8月25日に始まる予定で準備が進んでいました。しかし2020年初頭、新型コロナウイルス感染症が世界各地へ急速に広がり、選手の練習・予選・国際移動だけでなく、大会へ多数の人を集めること自体が難しくなりました。

3月24日、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、大会を遅くとも2021年夏までに開催する方向で延期することに合意しました。IOCは後に東京2020をオリンピック史上初めて延期された大会と位置づけています。戦争などで大会が中止された例はありましたが、開催都市を維持したまま大会を翌年へ延期するのは異例の対応でした。

延期は単に日付を変更するだけではありません。会場、宿泊、輸送、ボランティア、競技日程、チケット、放送など、すでに組み上げられていた巨大な運営計画を再調整する必要がありました。パンデミックは国際大会を『予定どおり開催するか、中止するか』という二択ではなく、開催条件そのものを作り替える課題へ変えたのです。

東京2020はオリンピック史上初めて延期された大会であり、中止ではなく開催時期と運営条件を再設計する選択がとられました。

延期後の日程はどのように組み直されたのか

3月30日、IOC、国際パラリンピック委員会(IPC)、東京2020組織委員会、東京都、日本政府は新しい日程を公表しました。オリンピックは2021年7月23日〜8月8日、パラリンピックは8月24日〜9月5日とされ、当初予定からほぼ1年後へ移されました。

一方で大会の名称は『東京2020』のまま維持されました。これはすでに広く使われていた名称・ブランドを継続する判断でした。そのため、実際の開催年は2021年でありながら『東京2020』と呼ばれるという、通常とは異なる大会になりました。

延期後も感染状況は安定せず、2021年の開催条件は直前まで調整が続きました。したがって延期決定は問題の解決ではなく、感染症流行の中で大会を成立させるための長い再設計の始まりでした。

なぜ観客のいないオリンピック・パラリンピックになったのか

2021年3月20日、日本側は世界的な感染状況を踏まえ、海外在住の一般観客を日本へ受け入れない方針を示し、IOCとIPCもこれを受け入れました。通常のオリンピック・パラリンピックでは、海外からの観客も開催都市の人の流れや交流を構成しますが、その要素が大幅に縮小されました。

さらに7月、東京都で緊急事態宣言が出されることになった状況を受け、東京などの競技会場では原則として観客を入れない方針が決まりました。地域によって一部対応は異なりましたが、IOCはオリンピック終了時に、多くの競技が無観客で行われたとまとめています。パラリンピックも多くの会場で一般観客を入れない形となりました。

無観客化は感染対策であると同時に、大会の文化的・社会的性格を変えました。競技は世界へ放送される一方、開催都市の住民や旅行者が会場で同じ空間を共有する機会は大幅に減少しました。『開催されたかどうか』だけでは、パンデミックによる変化を十分に理解できません。

海外観客の受入れ断念と多くの会場の無観客化により、東京2020は競技を実施しながら、通常の観客参加と都市交流を大きく制限した大会になりました。

大会関係者の行動は、どのように感染対策へ組み込まれたのか

東京2020組織委員会、IOC、IPC、日本政府、東京都などは、選手・チーム関係者・メディア・大会スタッフ向けの『プレイブック』を作成しました。そこでは入国前後の検査、健康状態の確認、移動や接触の制限、マスク着用など、大会参加者が守る行動ルールが定められました。

この仕組みは、大会を社会から完全に切り離すものではありませんでしたが、参加者の行動範囲を管理し、一般社会との接触機会を減らそうとするものでした。競技運営だけでなく、宿泊・輸送・食事・報道活動まで感染対策の対象となった点に、パンデミック下の巨大大会の特徴があります。

感染対策の評価を、単純に『成功』または『失敗』へまとめることはできません。大会期間中も日本国内では感染が広がっており、開催をめぐる賛否も存在しました。このTopicでは個々の競技成績や大会の総合評価ではなく、パンデミックによって大会運営の条件がどのように変えられたかを中心に捉えます。

2021年の開催は、延期決定をどのような形で終着させたのか

オリンピックは2021年7月23日に開会し、8月8日に閉会しました。続いてパラリンピックは8月24日から9月5日まで開催されました。IOCは東京2020を、1年延期され、多くの競技が無観客で行われ、前例のない感染対策を伴った大会として記録しています。

重要なのは、延期後に『元の大会へ戻った』わけではないことです。大会は同じ開催都市・名称を維持しながら、観客受入れ、参加者の行動、入国、運営手続を変更して成立しました。パンデミックは巨大国際イベントの開催可能性そのものだけでなく、『どのような条件なら開催できるか』という設計を変えました。

このページで覚えたい流れ

世界的な新型コロナ流行 → 2020年3月24日に約1年延期を決定 → 3月30日に2021年の新日程を決定 → 2021年3月に海外一般観客の受入れ断念 → 7月に東京など多くの会場で無観客方針 → プレイブック等の感染対策のもとでオリンピック・パラリンピック開催、という流れで整理します。

東京2020は『1年遅れて同じ大会を開いた』のではなく、パンデミックに合わせて観客・移動・運営の条件を変更して開催された大会です。

Review

入試で押さえるポイント

  • 2020年3月24日に東京2020オリンピック・パラリンピックの約1年延期が決まった
  • 新日程はオリンピックが2021年7月23日〜8月8日、パラリンピックが8月24日〜9月5日
  • 大会名称は実際の開催年が2021年でも『東京2020』を維持した
  • 2021年3月に海外一般観客の受入れを断念し、7月には東京など多くの会場で無観客開催が決まった
  • 参加者にはプレイブックに基づく検査・健康管理・移動等の感染対策が求められた
  • 延期・無観客化は競技日程だけでなく巨大国際大会の観客参加・移動・運営方式を変えた

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  1. 問1

    東京2020大会は新型コロナ流行によって2020年3月に中止が決まり、翌年に別大会として新規開催された。

  2. 問2

    延期後のオリンピックは2021年7月23日から8月8日、パラリンピックは8月24日から9月5日に開催され、大会名称は『東京2020』のまま維持された。

  3. 問3

    2021年には海外一般観客の受入れ断念に続き、東京など多くの競技会場で無観客開催が決まった。

  4. 問4

    東京2020のプレイブックは競技選手だけを対象とし、メディアや大会スタッフの検査・移動・接触には特別なルールを設けなかった。

  5. 問5

    東京2020は、当初計画を単純に1年ずらしただけで、観客参加・入国・移動・運営方式は2020年予定時とほぼ同じだった。

Timeline

関連する年表

前後の出来事とつなげて位置を確認できます。

  1. 新型コロナウイルス感染症の流行が社会・経済活動を長期にわたり制約する
  2. 東京オリンピック・パラリンピックの約1年延期が決まる
  3. 東京オリンピック・パラリンピックが多くの会場を無観客として開催される

Sources

参考資料

  1. Postponement of the Tokyo 2020 Games and the impacts on the sustainability pre-Games reportTokyo 2020 / International Olympic Committee

    2020年3月24日の延期決定と3月30日の新日程を確認

  2. International Olympic Committee respects and accepts Japanese decision on overseas spectatorsInternational Olympic Committee

    海外一般観客を受け入れない2021年3月の方針を確認

  3. The World Is With You - Message from IOC President to athletes following decision on spectators at Olympic Games Tokyo 2020International Olympic Committee

    無観客方針とプレイブックによる感染対策を確認

  4. As Olympic Games Tokyo 2020 comes to an end, International Olympic Committee President Thomas Bach hails Games as symbol of world hope and solidarityInternational Olympic Committee

    2021年8月8日の閉幕、1年延期、多くの競技の無観客開催を確認